オーストリアの大学博士後期課程D1を終えて

グラーツに引っ越して1年と8か月、グラーツの大学で正式に雇用されて1年と半年、そして博士課程(Doctoral School)に入学してから1年と2か月が経過した。普通はProject Assistantとしての雇用とPhDがスタートするのは同時なのだが、自分の場合、働けるビザ(VisaD)を前もって取得していたのと、日本で取得した学位と成績証明等のConfirmationに時間がかかってしまったため4か月ほどのずれができてしまった。
特にヨーロッパ圏外からくる留学生はこの入学手続きで余計に時間がかかるため、こういうことはざらだそう。日本から来ている自分はマシなほうで、中東とかから来る学生の場合はもっと時間がかかるらしい。

入学前段階で必要な書類とか提出するたびに大学本部に行っていたのが、入学が認められて以降はほぼすべての手続きがオンラインで済むようになった。最後に本部へ行ったのは学生証を受け取りに行った去年の11月だったと思う。

入学したときに一応、学生要覧的なものは渡されたが、口頭での説明は一切なし。このあたりは中島義道先生著の「ウィーン愛憎」に描かれていた博士課程のプロセスそっくりそのままである。人に聞かなければ何もわからない、人に聞いても全員違うこと言っているから余計混乱する。むしろ教授もよく分かっていない。自分もわりと適当な性格をしているので、なんとかなるだろう、死なない限りは大丈夫、くらいに考えている。
学内ポータルを見る限りでは、しっかりと博士課程に在学しているし、取った単位の評価も付けられているから問題ないと信じたい。
博士課程の場合は、単位に加えて、博士研究の進捗レポートの提出も毎年必須となっている。入学時にも求められた博士課程研究計画書通りに研究は進んでいるかどうか見るためだ。提出したものは研究所トップの教授以下、助教やポスドク等、指導教員側にも閲覧可能となる。教授からのStatement、いわばコメントのようなものも必須となっていて、自分は提出したその翌日に“Alles bestens, guter Fortschritt”と付けられていた。(自分の在籍している博士課程のコースはすべて英語のコースのはずなのだが、教授は自分には話すときもメールを書くときもドイツ語を使う)
私の研究所の場合は進捗レポートだけではなく、教授と他研究に関係ある人を含めた進捗状況に関する対面ミーティングが行われる。ただし、これは年一回でよい。目下、コロナによるロックダウンで研究所がほぼ閉鎖となっているため、そのミーティングがいつ行われるかは不明。
まぁあったとしてもあまり怖くはない。英語で発表することができる限りは。

この一年間を振り返ってみると、否が応でもパンデミックの影響の話をしなければならないわけだが、オーストリアの場合、3月から5月までの一回目のロックダウン、そして11月から12月に二回目のロックダウンがあった。ロックダウン明けスムーズにラボの業務が再開するのもなかなか難しく、実質半年近くラボの機能が麻痺していたといっても過言ではない。ロックダウンが明けても学位論文の提出が近づいている人の測定が優先であり、D1の自分はとくに焦っている時期でもない。しかしながら、機材の故障修理などもあって二週間もあれば済む測定がだらだらだらだらと伸びる状況にはストレスが溜まらないわけがない。
それでも、家にいても解析等やらなければいけない仕事・研究はたくさんあるのでやることがなく暇という状況に置かれるよりはマシである。

学会発表・論文投稿の目処も立ったのでD2に突入した今、ロックダウンでホームオフィスなうではあるが、できることを着実にやっていきたい。


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