最初のロックダウンから1年

1年も経ったらしい。

長いと思えば長かった気がするが、先週末H.G.ウェルズの「タイムマシン」を読んで80万年先の未来まで行ってきたのでそれと比べればほんの一瞬の出来事である。
オーストリアは去年の春から夏、また冬の入りから今現在までロックダウンを実施しているのでこの1年振り返ってみるとほとんど半年近く外出制限を敷いていることになる。
その間、レストランやカフェはテイクアウトやデリバリーのみなので土曜日の朝、ウィーンのカフェによく行っていたのがはるか昔のことのように思える。

1年前から通い始めたグラーツの空手教室も満足に通えたのが去年の夏から秋くらいまででいい加減体がなまってきた。
大学のコロナ信号は11月以来、赤が点灯したままで、入稿制限、職員・研究員は可能なかぎりホームオフィスということになっている。最近は試作品の測定等で大学に来ることが多くなってきたけど。
会社の方も社員以外の訪問は著しく制限されているため、去年の秋に会議に訪れたのが最後。オンラインの進捗会議はこまめに行っている。

去年春にできた試作品の測定がすべて終わり、それに関して発表する予定だった学会が再びコロナにより延期され、別の査読付きの国際会議にようやく投稿できそうになってホッとしているところ。気がつけばD2の前学期も終わり、短いセメスター休暇を挟んで夏セメがすでに始まっている。予定していた計画は大幅というほどでもないが遅れており最近D4の影が見えてきたような気がしないでもない。
ただ弊ラボだけでなく周りのオーストリア人を見てると博士はおろか修士ですら課程在籍後も論文を書いている人は少なくない。

ドイツの場合だけど工学分野はPhD取得するのに平均5年かかっているらしいし(ソース)、いわんやオーストリアをや。

あと雇われている研究プロジェクトが来年の4月末に切れるので今年中に教授と会社の上司に相談しなければならない。D3終了までの半年間のプロジェクト延長はできなくもないらしいが。Visaもおそらく、Rot-Weiss-Rot Karte Plusに切り替えできると思うので、現在のNiederlassungbewilligung-Forscher-と比べたら働き口の選択肢が広がる。PhD取れるまでは、てか取った後も大学か会社のR&Dに残りたいけどあまり頼りすぎて土壇場で梯子を外されるようなことになった時のことも考えておかねばならないのは外国人としては当然だろう。

日本から来た自分はいざとなれば国に全力で逃げ帰ることができるという安心感(?)があるが、今のところそのような気は起きないし、しばらくはオーストリアの職場の牧歌的な雰囲気を楽しんでいたい

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