オーストリアの大学の授業料がけっこう高かった

オーストリアの博士課程は大学と雇用・被雇用関係にある間は授業料が無料となる。
工学分野では博士課程の学生はだいたい何かしらの研究プロジェクトに実働を担うソルジャーとしてアサインされ(人によってはぼろ雑巾のごとくぼろぼろになるまで)フルタイムで働くことができる。プロジェクトの期限も博士課程在籍最低年限の3年に合わせているものが多く、一度も授業料を払わずに博士号を得ることが可能だ。

ただ、期限付きの雇用関係が解消されてもなお、博論が終わらず、投稿論文・学会発表の数が足りず、博士号取得まで至らないという人は多い(日本でいうところの満期退学的な)。そういう人でも大学に残って授業料を払いながら研究を続ける人はあまりおらず、だいたいが企業に就職していくかプロジェクトと予算が潤沢な研究室では1年くらいの短期の期限付きで雇ってくれるところもある。身近にも何人か3年のプロジェクト期限内に博論が終わらずにそのまま企業・研究所に就職した人がいるが、ようやく博論を終わらせる段階に入ったとここ何年か言い続けているのでまだしばらくかかりそう。一度企業に就職してしまうとやはり仕事の方に忙殺されて博論の存在を忘れがちになるようだ。自分の場合は来年の夏セメの終わり(来年の9月末)まで博論が書き終えれば、なんとかプロジェクトの期限内ということで修了できそうであるが、神のみぞ知るところである。焦るのは精神衛生上まったく良くなく、病んでしまっては元も子もないので、期限内に合わせようと努力はしているが頑張りすぎてもいない。そこらへんはオーストリア人のストレスフリーな精神性を見習うようにしている。

ところで、もともとの博士課程の授業料はEU国出身であれば350ユーロ、EU外出身は700ユーロである。これとは別に各セメスターごとにセメスター登録料(20ユーロ)を払うことで博士課程の学生(及び研究員)として大学側に登録される。

今回、冬セメ用の20ユーロを払おうとしたところなぜか授業料である700ユーロも請求された。教授に相談したところ、前回の研究プロジェクトの労働契約を更新したタイミングが悪かったらしく、学生課からは研究員としてみなされていなかったことが原因のようだ。実は、自分は研究所内の3つの研究プロジェクトに関わっており、政治的な(予算消化的な)理由で一時的にメインのプロジェクトから別のプロジェクトへと給与元が移ったことが直接的な理由のようだが、これは申請すればまた授業料はタダになるらしい。700ユーロの請求が来て初めてヨーロッパの大学の授業料というのも言うほど安くはないんだなと実感した。半年で700ユーロといえば通年で1400ユーロ。日本円で20万円弱ということになる。それでも国公立大の授業料の半分以下ではあるが、生活費や渡航費、ビザ・学位認証申請や保険料等もろもろを考えた場合には奨学金等無しではけっこうカツカツになるだろう。振り返ってみれば入学の段階で必要だった日本で取得した学位の翻訳・認証もえらい金がかかった気がする。(当時はすでに渡欧していた状態だったので行政書士事務所にお願いしてだいたい10万円近く)

博士課程から来る分には前述の通り、授業料がただになるうえ給料も出るので経済的なコスパは良いと思っている。むろん、コスパだけでなく総合的なメリット・デメリットを考慮せずにチャレンジしに来るのはあまりにも危険な賭けだとは思うが、例えそうだとしても生きてりゃなんとかなる、くらいの精神で生きている人にはおススメしたい博士留学である。


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