ヴルカヌス・イン・ヨーロッパでの企業研修を振り返る〜ヨーロッパ企業での1日の流れ編〜

留学

前回に引き続きVinE振り返り記事です。今回はヨーロッパ企業で働く人の実際の1日の流れに焦点を当ててみます。

ヨーロッパと一口に言っても何十カ国もあるので国の制度や国民性によって働き方は種々多様でしょうし、業界・職種にも大きく依存します。ただ長い歴史のなかで育まれて来た根底にある基本原理や共通理念は変わらないもので、特にオーストリアみたいな伝統を大事にする国では働き方でそういったものが垣間見えるものと思います。

そんな中で今回は限定的ですがヨーロッパの中での”オーストリア”の”電子部品メーカー”の”研究開発部門”で実際に働いた経験をもとに働く人々の1日はどういったものなのか紹介します。

ざっくりタイムスケジュール

6:00     起床

7:00     出社 メール・スケジュールチェック等

8:00     コーヒーブレイク・雑談

8:30 – 12:00 仕事(ミーティング等大事な用事は大体午前中に済ます)

12:00     昼食(社内食堂、ランチメニューは8ユーロ前後)

13:00     コーヒーブレイク・雑談

13:30 – 16:00 仕事

16:00 -    明日以降のスケジュールを確認。終了後帰宅。たまに残業

18:00     夕食。以降余暇。

23:00     就寝

社外スケジュールはもちろん人によって千差万別であり、出張等がある場合はこの限りではないですか通常スケジュールはこんな感じです。業務内容にもよりますが大体毎日午前中が勝負です。午前中のうちにスケジュール通りに仕事を終わらせ、昼食後の午後の仕事は確認も含めて流す感じです。14時くらいまでは空気も張りつめていますが15時くらいを境にちらほら帰る人が出始めて16時になるともう今日は終わりという雰囲気が漂いそこから新しい仕事を持って来るひとはいません。

アメリカやアジアの支部・顧客とビデオミーティングを行う際はもちろん時差の関係で早朝だったり夕方しますが。。。

スペインのようにシエスタはありませんが毎日2回30分程度のコーヒーブレイクがありこれに参加することが社内での立ち位置を決定づける重要事項の1つと言っても過言ではありません。

コーヒーブレイク中は円卓を囲んで同僚や上司と雑談します。仕事や業界の話から他愛もない話まで様々ですが、真面目な話がほとんどです。そもそもヨーロッパは日本以上に学歴社会なので大手メーカーのR&Dともなるとかなり学業を積んで来られた人が多く教養人がほとんどです。彼らは政治の話も大好きですし他に日本人もいなかったため日本の文化・歴史についてもバンバン質問を飛ばして来ます。私はどちらかというとそういう真面目な話の方が好きなのでそこそこ溶け込めてはいたんじゃないかと思います。まさに藤原正彦氏著作の国家の品格中に書かれている、著者自身がイギリスで経験したことと同じようなことを当時体験していて面白かったです。

仕事の話もミーティング中のように気を張る必要はなくどちらかというと広く浅めの議論が多かったですが、プロジェクト全体を俯瞰的に見渡すことができる良い機会でした。

もし海外の会社で働く機会があったらそういう文化に馴染むことは彼らと良い関係を築く上では必須だと思います。ちなみにオーストリアの大学の研究室単位でも似たように1日2回のコーヒーブレイクがあって雑談しています。職場ですらオーストリアのコーヒー文化が根付いていることを実感しています。

17時にもなるとオフィスにはもう1、2人くらいしか残っていません。労働時間はタイムカードで厳しく管理されているので毎日残業することはできません。(オーストリアでは労働時間は週38.5時間までと法律で決まっています)

なので帰宅して夕食(自炊)を食べた後でも19時前であることがザラでそこから就寝までは完全に余暇の時間となります。ウィーンみたいな大都市ならともかく当時は1万人規模の小さい町に住んでいたので特にすることもなく余暇の時間はNetflixでTBBTを観たりドイツ語の本を読んだりそれはそれで楽しかったけどまぁ退屈な時間でした。今思えば何か仕事終わりのアクティビティを見つけておけばよかったなと少し後悔しています。

今回はオーストリア企業での1日の流れをざっくり紹介しました。私は結局日本企業でのアルバイト以外での就労経験なくこうしてオーストリアにいるわけで日本とオーストリアの労働文化を比較できる立場にはありません。ただ日本では今現在働き方改革が叫ばれ、元号も平成から令和へ、これまでの昭和的な日本独自の労働文化も徐々に変わりつつあるのかもしれません。変わること自体の良し悪しはともかくワークライフバランスに基づいて変えていこうというのであれば先達に倣って良いものは取り入れていく姿勢は重要です。ヨーロッパ諸国はワークライフバランスにおいて先進国と位置付けられているためいろいろ見習える部分は多いんじゃないかと思います。

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